日本語も難しい

というか、間違いなく伝えるって何語でも難しい。

 

また昨日の会見の話です。

どーして通訳はあんな訳を??と考えていて、ようやく気が付いた。

 

記者:海外の報道などで、大坂さんの活躍ですとか存在って言うのが、古い日本人像を見直したり考え直すきっかけになっているっていうふうな報道があるんですけれども。ご自身のアイデンティティーというのも含めて、その辺をどのように受け止めていらっしゃるか、お考えを聞かせて下さい。

 

これを、通訳はおそらく、

Your performance reminds us (them?) of an old style Japanese

みたいな感じで伝えている。聞き取れる範囲での推測ですが、なおみさんの反応(私のテニスが??)を見ても、多分そう。

 

「見直す」「考え直す」を「忘れられた良さを改めて認める」と理解されたんだろな。確かに。この日本語にはその意味もある。

 

そう考えると、「古い日本人像」をなおみさんの謙虚さや礼儀正しさみたいなことと取ると、記者の質問も辻褄が合う。「なおみさんの活躍で、なおみさんの謙虚さや礼儀正しさが伝わる報道が増えて、そうした伝統的な日本人像の評価が改めて上がっている」みたいな感じで。

 

辻褄は合うけど、記者の意図とは全く違う。(記者の日本語が悪い。なんとか失礼にならないように考えた結果なのだろうけど、伝わらない。誤解しか生まない。)(どうして伝わらなかったか、記者さん今は分かっているといいのだけど。)

 

私の最初の理解は、「古い日本人像」=「謙虚さ等々の良いこと」、「見直す」=「わるいことを改める」のだと思い、良いことをやめていこうって?訳分からん…となっていました。(私個人は、謙虚さや礼儀正しさ等々が日本の伝統とは思っていないですが。)

 

ほんと、一度思い込んだことって、頭から剥がれにくいものだな。(ということが時折あるので自分も気を付けなきゃと思います。)

 

(ハフポツイッターでは「大坂選手の活躍で、日本国内では、多様なルーツを持つ人を巡る議論が起きていることへの受け止めを聞かれ、」ときれいにまとめられてる。)

 

事務所もスポンサーもしっかりしてるのだし、外国人特派員協会の会見に出るレベルの通訳をつけてあげてほしい。通訳するに当たり、なおみ関連記事を読み漁り(biracial Japaneseであることについての記事は確かにある、複数ある)、「アイデンティティー」の言葉が出た時に、記者の意図を解せるような、解せなければおかしいなと思って確認できるような。

 

昨日のこれや、他にも通訳付けずに話していて、日本人(インタビューしてるアナウンサー等)が必要に応じて訳してて、訳せなくて流したりしてるのもあったりするし。できれば決まった人を付けた方がいい。

 

この記者やこの質問について多く上がっている批判は的外れだと思う。日本語がひどいのは悪い。けど内容はいいよ。伝わらないとこが最低なんだけど。。。

 

彼女の活躍が報道され、biracialやbicultural(multiracialやmulticultural)だと日本人でない・日本人らしくないと言われることの少なくない風潮・文化が変わるひとつのきっかけを生んでいることについてどう思うか、自身のルーツやアイデンティティーをどうとらえているか、を聞かせてもらうことは差別的ではなく、何が差別なのかとか、差別をなくすことを考えたり大切な話だと思う。自信のbi-/multi-のルーツで悩んだり考えたりしていて聞きたい人もいるだろうし(別に聞きたくない、いつもこの話でうんざりという人もいるだろうけど)。

 

これまでも話してるし。(これを受けて、ハフポスト記者は「海外メディア」で伝わると思ったんかな…)

www.nytimes.com

 

このNYT記事を受けてのこれ↓

記者会見では「NYタイムズの記事を読みましたか」という記者の質問に対して、「もちろんです」と答えた大坂選手。

「どう思われましたか」という質問に、彼女はこう答えていた。

「あの記事が出た翌日に、私と同じようなハーフの子たち(ユースのプレイヤーたちのことだと思われる)がたくさんやってきて、自分たちも同じだ、といってくれたのです。
その時、私は子どもたちにとって、尊敬される存在でいたいと思いました。同じような子どもたちにとって見あげる存在になれたら、と思います」

USオープン優勝! 大坂なおみ選手の「ハーフ」の思い – New York Niche・ニューヨークニッチ

 

Tennis star Osaka named Nissan ambassador, gives hope to biracial Japanese | Reuters

(上記ロイター記事の映像) https://twitter.com/Reuters/status/1040299068365389828

 

外国語の難しさ

今回も、"I'm sorry" は、ごめんなさいなのか残念ですなのかという話が出た。

 

私にはあのシーンで謝る理由が見当たらないので、こんな風に終わることになって残念、心苦しい、だと思ったのだけど、大会公式の記者会見で、どうしてapologizeしたのかと記者に聞かれてなおみさんがそのまま答えていたのを見て、謝っていたのだと知りました。

 

sorry や apologize と、日本語のごめんなさい・残念に思う・謝るが、ひょっとして、微妙に本当の意味というか感覚が違うのかも??と色んな英英辞書を見たりしたけど、今の所、違わない、という理解。

 

なのだけど、同じ疑問を以前も抱いたことがあり、まだ完全には腑に落ちていない。(沖縄でひどい事件が起きた時に、日本の記者と米軍の軍曹みたいな人が、謝ってない!いや謝ったでしょ!とやっていた時のことです。言葉の違い、難しいな、と思った。)

良いインタビュー2

youtu.be

cuteness overload 人類編。

いちばんかわいい。最高にかわいい。かわいさがばくはつ。

やっぱりエレンってすごいんだなー。

もちろん、エレン自身の番組で、質疑応答というより、会話を楽しんで、質問にゆっくり答えられる、リラックスした雰囲気というシチュエーションだし、言葉の壁もないし、もしかしたらある程度脚本ありかもですし、なので日本での会見等と単純に比較はできませんが。

 

エレンの「試合見た人?」の声に観客から大きな歓声が湧いていて、ブーイングに埋められた試合後や表彰式を吹き飛ばしてくれたみたいで嬉しかった。(仕込みであっても。仕込まれてなくても歓声上がったと思うし!) (多分なおみさんご本人は気にされてないけど。)

 

今までも聞かれてる質問でも、更に突っ込んだ答えが聞けていて、これはエレンが相手だからなのか、ゆっくり答えられる番組だからなのか、番組がしっかり聞き取りを含めた下準備をしているからなのか。(セリーナ騒動の最中のこと。何が起きてるか見ていなかった分かっていなかった、集中することに集中してた、というのはこれまでも答えてたけど、試合で相手が怒ってるときなどはそちらを見ず後ろを向き集中するようにと小さい頃に教えられたと話していた。)

 

それで、Michael B.Jordan の話題の3つの "No" が、かわいすぎる!

 

そんでMBJからのビデオメッセージですよ!

www.thisisinsider.com

 

これおもしろいなと思ったのが、teen vogueインタビューでなおみ自身が話してたのと同じことをマイケルも言ってるのですよね。

 

tv:試合に負けてて最低な気分の時の対処についてアドバイスを→N:結果じゃなく、プロセスを大切に考えるべき。一つ一つと闘って、前へ進み続けていれば、ある日目指していた所に自分がいる。

 

MBJ:たいていの人は結果は見るけどプロセスは見ない。でも、このスポ―ツに注いだ全ての努力、血と汗と涙があってこそ、たくさんの人が目にする結果が生まれるんだ。それって誇りに思うべきことだよ。

 

マイケル、、、この声はずるい。サングラス途中で外してくれるし。その時言ってることもなんかかわいいし(サングラスなんかかけちゃっておれったらみたいな感じ)。最後の、"Everybody's watching now, alright? Me too." の "Me too" は、なおみちゃんが完全にきゃーーー!!!ってなるとこでしょうね。なおみがcuteness overloadなら、マイケルはcoolness overloadだわ。これはエレンのショーで会うことになるよね!

 

さて、賞金についてエレンに聞かれてて、車持ってないの?車買ったら?と言われてますが、日産がリーフとか、GTRを、くれるそうです。

 

newsroom.nissan-global.com

 

かわいらしさが注目されがちななおみさんですが、日産・星野朝子専務執行役員による紹介では「どんどん迫力を増し相手を圧倒し」「自信とパワーに溢れ」「非常にクールでしかもクレバーにプレー」と、日本企業が女性を表す(褒める)時に使わない表現が並んでおり嬉しい。かっこいい女性、強い女性のイメージを推してる。(この時のヘアメイクもかっこよくて素敵。)

 

実際かわいらしいし、素な感じも魅力、そして聡明、賢い、ユーモアのセンスもあっておもしろい。色んな国の人が、かわいさ、謙虚さ、上品さを、プレーの冷静さを、大好き!と言っていて、日本の人は日本人だから嬉しいし、ハイチの人はハイチ系だから嬉しいし、ブラック、カラード、ブラジアン(初めて知った)、それぞれに、同じ何かがあることで親近感を増して一層喜んだり誇りに思ったりしている。それはそれで良いことだし、そして、別に何の共通項も見出したりするまでもなく喜ぶ人たちもたくさん。ほんとに沢山の人に愛されてて、皆の心にしあわせ運んでてすごいなあ。

 

スポンサーになるのに最高のタイミングだし、お父さんが日産車に乗っていたというの、良いストーリー。ファミリー向けもにいいCM作れそう。