まだちょっとイシグロ続くのですが。

 

今日は(もうとっくに昨日だ)久々のどしゃぶりの夕刻にスウェットパンツ1(ゆとりのLにした)とこれなのではという長袖T2を購入してしまった。Tシャツは10ポイント中8-8.5くらい。だって満点のものはそうそうないんだよ、、どこかにはあると思うけど、、、そしてスウェットシャツ1取寄せ。

後は帽子が2候補。完走してしまいそう。

断捨離魂よ。かえってきて。

スウェットパンツは数本処分候補がある。

 

そんなことでふらふらしていて雑事が溜まっている。

そして文学賞で一人盛り上がって、他の事が滞るばかり。

読むべき資料もわざわざご用意頂いているのに。読むべき本もあるのにだね。

連休は着々と取り組もう。

で、なぜ受賞なのかな。

 

アカデミー発表のコメント(英語)

"who, in novels of great emotional force, has uncovered the abyss beneath our illusory sense of connection with the world"

 

ということなのだけど、でもそれで、なぜ。

 

(横道ですが、このコメント、理解に違いを生みそうな和訳があったんだけど、

 

(nhk)「カズオ・イシグロ氏の力強い感情の小説は、私たちが世界とつながっているという幻想に隠されている闇を明らかにした」

(うちにある新聞)「偉大な感性を持った小説によって、世界とつながる幻想的な感覚の下にある深淵を明らかにした」

 

上の方が、ちゃんと伝えてるかな。illusory senseを幻想的な感覚と言ってしまうと誤解を生みそう、illusory、幻想的ではなく単なる「幻想」、事実ではない、思い込み、間違ってる、ということ。闇より深淵の方が私にはぴったりくるけど。果てしなく深い溝、のような。)

 

感情を抑えた人物、抑制のきいたストーリー、というコメントがあって、その辺りなのかな、という気がした。今の、一部の人に訴えやすいキーワードを声高に叫ぶ、言いたいことをわーわー言う、抑制を失ってる世界で、人の持つ知性や理性を思い出させる、調和やまっとうな責任の為に知性や理性を生かすことを伝える文学ということだろうかな。

 

いやでもスウェーデン的には、そこまできれいなことではなく、コメントの通りなのかな。強い感情を抑えたり抑えようとしても流されそうになったり流されて反省したり、自分はこの世界と繋がっていると当然信じているその足元に実際にあるのは深淵で、地盤などないという、不確かさ、そんなことをたんたんと描いてきた、そのことを評価したのかなあ。

カズオ・イシグロ、原書で読んでみたいなあ、読んでみようかなあ、でも読み切れるかなあという方におすすめなのはこれです。

 

Nocturnes: Five Stories of Music and Nightfall

Nocturnes: Five Stories of Music and Nightfall

  • 作者: Kazuo Ishiguro
  • 出版社/メーカー: Faber and Faber Ltd.
  • 発売日: 2010/01
  • メディア: ペーパーバック
  • 購入: 1人 クリック: 3回
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イシグロの短編集はこれだけなんじゃないかな。 あまり、取り上げられない一冊だけど。

 

短編だから、読むプレッシャーも低いと思うし。読みやすい、分かりやすい、入りやすいストーリーばかりです。実はちょっと話がべたかなあという気もしつつ、どれもいい2時間ドラマが作れそうだな、と思いながら読んだ。

 

持っていても嬉しいきれいな表紙も良いし。Faber and Faber 社のページはフォントや行間など、読みやすいデザイン。

 

(ただ、今アマゾンでは洋書だと在庫がすっかりない。中古も安いのは消えていった。)(全部kindleで読めます。)