友人のお母さん

火曜のこと。友人のお母さんが私の住む町に団体旅行でやってくるというので、時間を合わせて会いに行った。

 

家から車で20分ほどの観光地へと車を走らせる。プチ高速みたいな道路を降り損ね、いやーーーどこまで行けば戻れるのーーーーーと思いながらぶーーーんと長いトンネルをいくつか抜けた。抜けたらすぐ良さそうな道があり、ほっとしつつ走った道がすごく鄙びていて良かった。広い駐車場を備えた、この地方特産の果物の特売所がいくつも並ぶ。裏には果物狩りの果樹園もある。時期的に全部閉まっているけど、もう少し早い季節なら車や観光バスも通ることもあるんだろうか。人も車もほとんどいない、晴れた秋の午後。

 

観光地へ裏側から到着。いつもの道の向こう側はああなってたんだ。そういえば駐車場はいくつかあるんだけど、きっとこっちだろうとリフト乗り場のある方へ上る。車を停めて、お土産屋さんを覗いたり、到着したバスから降りてくる人たちの中を探すともなく探していたら、懐かしい顔が。数年ぶり。お母さんもすぐ私が分かって、名前を呼びながら走って来てくれる。まーるーこー!おかあさん!

 

お母さんはお姉さん(友人のおばさん)や絵画クラブのお仲間との旅行。色んなところをツアーで巡り、写真を取って、旅から帰ってその写真を見ながら油絵を描くのだ。お母さんが毎週お姉さんを車で拾って絵画クラブへ行くらしい。明るくて仲の良い姉妹。おばさんはけっこう英語が上手だった。

 

一緒にリフトに乗り、少し散歩し、あっちやこっちで写真を取り、英語と日本語と中国語でけっこうたくさん話をする。はっきり理解しあえてるのは英語かな。そうだった、この人ともっと話をしたくて中国語を話したいと思ったんだった。お母さんは75歳。ツアーのお料理や温泉楽しんでること、エクササイズして健康にしてること、絵の先生と奥さんは毎日40分ウォーキング、奥さんは太極拳の先生、友人の仕事のこと(転職考えてるって聞いてた。チームになぜか英語できるひといなくて簡単なことも友人に全部回ってきてしまうらしい。どういう採用基準。)、11月後半には台湾南部へ親族の誕生日祝いの旅行へ行くこと、私の家のこと、この辺のこと。前日に図書館で借りた中国語本を頼りに勉強したりメモを取ったけど、私の発音はお母さんやおばさんにたいてい修正された。中国語やっぱり難しい。好久不見。

 

ガイドの方が親切で、友達のアレンジもあって私に電話をくれて待ち合わせたりできた。(団体旅行のガイドさんって大変過ぎて個人的に電話とか頼みにくいイメージだった。)フレンドリーで、人数もそんなに多くなさそうなゆるっとした旅行だからか、しばらくおしゃべりしたり。新卒くらいに見えたけど、カレッジ卒業して20年くらい添乗員やってるベテランだった。若い頃はヨーロッパやアメリカ担当だったけど、最近は日本ばかり。遠方は体力的にきつくなってきたらしい。そうだよね、時差も結構きついし。日本なら移動はずいぶん楽だろう。

 

友人からお土産兼BDプレゼントを兼ねてドライマンゴーの大きなパッケージ。フレッシュで売るのと同じマンゴーだって。お母さんがHappy Birthday! と言って下さるので、あまり楽しみじゃなかった少し先の誕生日だけど、嬉しくなった。ほんとにハッピーだ。私もお土産に地元のお菓子などを、旅行の皆さん用と台南ファミリー用に。台南にまた来なさいねウェルカムよ再見再見。

 

前日とってもよくない気分であった、明日はお母さんが来るから、とがんばった。お母さんありがと。助かった。お母さんに会えるのはとても大切な時間。マンゴーは袋を開けたとたんあのうっとなるような濃い香りで、1スライスが大きくて甘いのについつい次々と手に取ってしまう。