今年の桜

知合いの、一個人の敷地に立派な枝垂桜があるというの、何年も前から父が話していたのだけど、へえ、まあ、その内と思いつついた。

 

(なかなかさっと足が伸びないのは、行く道すがら特に何も楽しいことはないためだろうと思う。道がきれいで走っていて気持ちがいいとか、そういうこともなく、どちらかというと、気分が落ちて行きそうな景色なのはなぜなんだろ)

 

親戚が遊びに来ていたのだけど、お天気悪くて、屋内で行くのに良さそうな所はないし、でもどこかないかなーと話してたら、数日前にもその桜の所有者である知人に電話をして開花の様子を聞いていた父が乗り気な感じで大きな枝垂桜がと言い出して、雨も上がっていたので行ってみることに。

 

付近まで来て、細い道を行きつ戻りつしながら辿り着いた。田畑が広がっていたのだろう山の一部を開発した新しい小さな住宅地の隣に古くからある村の端に、少し広い敷地が取ってあり、ほんとうに見事なその枝垂桜と、他にも、立派な木蓮、白に少しだけ薄いピンクの線が入る椿、野生の物とはまた違って美しく仕立てられた馬酔木、初めて見る、花弁が細くて先が丸い桜のような木、などが、いくつかの大きな庭石と共に配されていた。

 

門もある個人の敷地だけど家はそこにはなくて整った畑ときれいな小屋が。車を停めるところも別になくて、人通りもないので道端に停めさせてもらって少しの間だけど堪能。

 

人がたくさん来て大変な時もあったのか、「公園ではありません」「入り口前駐車禁止」などの注意書きがあった。

 

木の周りには何もなく、斜面に立っているので、少し離れたところからもよく見えて、本当に立派で、あんなに大きな木が生活圏にあって、1年の様子を楽しめるなんて、近所の人はとてもいいな。桜でも桜じゃなくても、そういうのはとてもいいな。車の置き場に困らなければ、何度か行って、見たくなる木だった。

 

近くには他にも古い桜などの木があったり、敷地の隣の新しい家のミモザがきれいだったり、何だか良かった。ミモザが見たいと思っていた。

 

(枝垂桜ってソメイヨシノ等より後で咲くものと思っていたのだけど、種類によるのだろうか。)