「はるですよ ふくろうおばさん」

 

 

 カバーの折り返しの説明に「~壮大な絵本!」とあったので、ふくろうおばさんの編み物が?どう壮大に展開するの?と読み進めた。壮大だった。

 

絵本の主人公がふくろう「おばさん」なのおかしいけど、寒がりかつ編み物するのおばさんぽい。「ふくろうおばさんは とても さむがり」、マフラーみたいなのを頭部にぐるりと巻いたおばさんの絵。編み物はしないけど私もよく似た寒がりなので最初のページからぐっと親近感。

 

自分で編んだ「からだが すっぽり はいる セーター」に入ってるけどそれでも寒くて編み物を続ける。木にかぶせるふくろ。となりの木にもかぶせるふくろ。どんどんどんどん編む。最後には森全体にかぶせるふくろ。それでも寒いのがかわいそう。。。(夏や冬、私も、この家を大きな格納庫に入れたいと思う。やっぱりなんか似てるで。)

 

「やっとすこしあったかくなってきた」感じもすごく分かる。もりに住むほかの動物たちが「うわああついよ」とどわーっと出てくるのが長新太らしい。

 

それでおばさんはふくろの毛糸をほどいてまくんですよ。ほどかずにたたんでおいたらよいのに。

 

色使いや、巣穴で編み物してるふくろうがかわいい。長新太さんのそんなに読んではいないけど、これがいちばん好きだな。

 

終わりに、解説がついていて、これは無粋なやつではというにおいがしてざっと読んだけどやっぱりいらないタイプの解説だった。この解説を書いてる人がラジオで話してるの聞いたりしたことあるけどどうも好きだったことがないので、合わないんだろう。ふくろうとふくろの言葉遊び的なの、私は気付かなくて、こどもの自分だったら着目したんだろなとは思った。

 

これは新装版ですが、1977年刊行。絵本をプレゼントする時の候補がひとつ増えた。