受賞により色んなメディアでイシグロさんの話が聞けるのは嬉しい。

 

好きな作家が受賞して嬉しい、という気持ちではないようなのけど。いかんせん、意外で、なんで??という気持ちが勝っている。ノーベル文学賞に圧倒的な重さを感じていないからかもしれない。

 

でも、イシグロさんは好意的に受け止めているようで、それは良かったなーと思う。早川さんは本当におめでとうございます!だし。もうすぐ「忘れられた巨人」の文庫が発売予定というのは何という幸甚!日本や各国の訳者の方々も、すごくうれしいだろうなあ。土屋雅雄さんの日本語訳もとても良いらしいので、その内読んでみたい。(土屋氏、1944年生まれ。巨人訳したの71才位?、そして現役ぽい、すごい。全部ご自身でされてるんだろか。)

 

90代ですごくお元気そうな幼稚園の先生にも、本当に良かったですね!という気持ち。嬉しいよねえ。そしてイシグロさんがきっとネットで先生の喜ぶ姿を見て喜ぶのでは?それも嬉しいな。

 

日本出身では川端、大江に続いて3人目で23年ぶり、と、新聞ではやっぱり同枠で数えていて。どうしても繋げたいようだけど、別件でいいのでは。イシグロの受賞に添えて、日本ではこれまでこの2名が受賞してます、という情報の伝え方が自然なのでは。多分に排他的なのに日本持ち上げたい都合に合わせて線引きを変える傾向に辟易してるので、余計そう思ってしまう。

 

なので、「イシグロ氏「日本と日本人に非常に感謝」」とか、「イシグロ氏「芸術的アプローチは日本的なもの」」のような見出しやその記事を見ると、本人が自ら強調したように書きすぎ、記者がそっちに話をふったんでしょうよ、等と思ってしまう。

 

新聞記事の頭に「日本語表記は石黒一雄」とあったのもそこ大事かな?という気がした。でもまあ、気になる人もいるか。イギリス人なので、公的には全く石黒一雄ではないんだけど。

 

もちろん、作家や作品の背景として、日本で生まれて~という事実や、イシグロ自身が日本の影響があると話していることを伝えるのは普通だと思う。知ってる方が理解が深まって良い。という観点では、カズオ・イシグロは石黒一雄少年であったことを知れたのも良かったかな。記事はそこを意図していないだろうけども。

 

イギリスで2番目に権威ある賞、とか、イギリスで最も権威のある賞、とまで言ってて、賞の名前を言わないメディアもあって不思議すぎた。知らなかった視聴者も知る良い機会なのに。

 

2DFの記者の頑張りがすごいので貼ります。

イシグロ氏「芸術的アプローチは日本的なもの」 | NHKニュース

別映像で拾った "a large part of my way of looking at the world, my artistic approach is Japanese" 「大部分は日本的」とか、他局では「ほとんどが日本的」という訳もあるけど、フジが意外と「日本の影響が大きい」にしてて、これがいちばん合ってるのでは。

このインタビュー、切取りじゃなく全部見たいけど、見つからない。色んな国の記者の質問、おもしろいのでは。

 

こちらの伝え方は誠実かな。「日本も喜びに包まれていることについて感想を求められると、こう話した。」という前置き。

イシグロさん受賞、村上春樹氏について語る | 日テレNEWS24 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

こちらも複数のメディアに向けた会見のよう。どこかで全部見られないかなー。

 

他にも単独インタビューにも応じてるし、ほんと、多忙極まりなくなるんだな。

BBC

www.bbc.com

これの日本語。

ノーベル文学賞受賞のカズオ・イシグロさん、騒ぎの渦中で落ち着き - BBCニュース

この記事は、イシグロがどんな文学をつくっているのか、本人の考えと、インタビュアーの解釈が短く書かれていて分かりやすい。

 

ノーベル・アカデミーのインタビュー。

www.nobelprize.org

 

これもBBC。色々説明してくれてておもしろい。

Kazuo Ishiguro: Nobel Literature Prize is 'a magnificent honour' - BBC News

"Fans gathered in Tokyo in the hope of celebrating Haruki Murakami, who had been the bookies' favourite - but ended up celebrating Ishiguro's win"(村上春樹受賞を願って集まったファンたちがカズオ・イシグロを祝うことに)というキャプションの写真は本当??なんかそれっぽくないんだけど、、、(海外メディアも時々間違った日本情報流してることあるので)と思ったんだけど、ほんとなのね、、今年も集まってたのね、、しかも私の好きな、千駄ヶ谷鳩森神社ではないですか。なにやってんの!びっくり。もうさすがに今年は春樹ファンの報道はないな、なんて思ってたけど、いつも以上ではないですか。私が見てなかっただけだった。

 

などと思いながらも、イシグロ関連ニュースは、久しぶりのなんだか心軽くなるニュース。政治やオリンピックやその他あれこれにもうほんと終わってるわ…という気分になりやすい日々、「良い」方へ関心を引っ張ってくれる一報。