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そういえば。寝転びつつ気付いていたんだけれど、犬を連れた女性が良いカメラを手に熱心に写真を撮っていた。いいなあ、かわいいなあ犬、こっちに来たりしないかな、などと思っていた。

 

起き上がると、散歩の人が犬をなでさせてもらっていた。女性が、「人懐っこいんですよ」と言っているのが聞こえる。犬も大喜びの様子。それならば、私もぜひなでたい。

 

女性は移動せずそのまま写真を撮り続けている。他とは違う黄緑っぽい八重桜でこれもほんとうに美しい。幹の名札には「ウコン」とあった。ウコンの色を思わせるからだそう。漢字だと「鬱金」、この文字もはまっている。鬱というか、なんともぼんやりと夢の中へ吸い込まれそうな雰囲気なのだ。

 

立ち上がって歩き出し、女性の了解を頂いて、わんことの、ふれあい。まるまるした、柴のような犬。なぜ、こんな他人をそんなに喜んでくれるのか。わふわふと飛び上がりながらまとわりついてくれて、最後は落ち着いて抱かれてくれていた。至福。。。女性は「遊んでいる所を撮ろう!」と写真を撮っておられた。私は恥ずかしいので顔は伏せたけれど、遊ぶわんこのシャッターチャンスを提供するというお礼ができたようで良かった。犬と遊んだのはいつ以来だったろう。女性と犬にお礼を言って、散歩を続けていると、後ろから、「ほら!写真撮るよ!」と、じっとしない犬に女性が指示する声が聞こえるのだけれど、犬は一向にじっとしなくて、女性の声がどんどん大きくなるのがおもしろかった。ああ、ほんとうにすてきなひと時をありがとうございました、という気持ちだ。