ぶーんぶ-んぶ-んとくぐもった音が聞こえてていて、外のカナブンだろうか、ここまで聞こえるなんてすごいなと思っていた。道を挟んで向かいの欅の木に、なぜかカナブン(暗がりで見たので確かではないけど)がたくさん集まっていたので、そこから聞こえてくるのだろうと思った。

 

しばらくしてやまない音の方を見上げると、割と大きな、3cmくらいありそうな、見たことのない虫がいた。頭と胸なのか、胸と腹なのか、黒い丸が二つ目立つ。寄生バチを思わせるような体格。

 

私の把握していない蛹が部屋にあったんだろうか…このまえの、逃がしたようなうっすらした記憶は現実じゃなくて、あれがまだここにいたんだろうか。