自身の母校の小学校で授業をするという番組で、林真理子さん。途中から見たんだけど、面白かったな。

 

「10年後のシンデレラ」。シンデレラの登場人物の誰でもいいから主人公に据えて、10年後を描いてみよう、という授業。何を書いてもいい。

 

一人の女の子が、シンデレラは王子とは別れて幸せ、というストーリーを書いていた。(別れた後、一人だったのか、誰かと出会ったんだったかは忘れた。)王子はシンデレラの見た目に惹かれただけ、見た目だけで好きになるなんてろくなもんじゃない、というような(言葉は違う)感じだった。ほう。

 

「頭の中のことを考えて形にするってやったことがなかったから面白かった」(これも文字通りには覚えてないけど)という感想は衝撃的だった。ないのか!もっとやらな!6年生だよ。いや多分、やってはいるんだろう、ただこういう風にぐっと意識して創作というのが初めてだったのか。いやでも、図画工作でも、同じような絵が出来上がる指導法(手順通りに描かせる)を取り入れている学校もあるらしいし、ほんとにないのかも。

 

最後はみんなの前で読んで発表、となりがちだけど、林さんが1対1で話をして感想を伝えていて、すごくいいなと思った(発表もあったのかもだけど、私が見た中では1対1だけだった)。私的な感じがすごくいい。同じ感想でも、みんなの前で言われるのもいいけど、1対1で言われるのってまた違う良さがある。親でも先生でもない大人と二人で話す、という普段あまりなさそうなシチュエーションもいいし。子供たちは林真理子さん知らないだろうけど、林真理子さんと1対1でお話して、褒めてもらって、っていいな。

 

そういう私も林真理子さん、知らないのだった。読んだことない。どうなのかな~(自分は好きかどうか、多分好きじゃないんじゃないか)、と手を出したことなかった。小説とエッセイ、1作ずつ読んでみようかな。でもこのどうなのかなという予感が当たるような気もなぜかする。でもこういう期待値の低さは悪くないから今度読もう。

 

ちなみに林さんのストーリーは10年後の継姉。ペロー(シンデレラの作者)にひどい人物として書かれたおかげでつらい10年だった。でもほんとはそんなに悪人じゃない。自分だってほっそりした足でガラスの靴が履けたのに、意地悪した罪滅ぼしにと自分の足に指を添えて履けないようにしたんだ。なのにこの10年、シンデレラは何も気付きはしない。というお話。暗い感じになっちゃいましたーと林さん。らしくて良いと思う。

 

皆のストーリーはきれいに1冊に製本されて配られてた。

 

最後に、中学に行ったら勉強とか人間関係とか大変なこともあるだろうけど、本を読んで妄想するのは自由だから、それを忘れないでと林さんから子供たちへメッセージ(またうろ覚えだけど)。赤毛のアンや、花子とアンの花子みたいだな。妄想か。私もたまにしてたかな。この前後編のタイトルが「妄想は未来へのトビラ」(なぜ扉がカタカナ)。サイトを見ると、昨年春の回の再放送だった。前後編あり。私が見たのは後編。全部見たかったかも。