母との時間

母とたいへん久しぶりに喫茶店(というかカフェ)でお茶をした。7年程?前に、両親が仕事の都合で1日置きくらいに暮らしていたアパートの前にできていたカフェ。

 

当時は住宅地の中の小さな耕作放棄地のようだった土地に(もとは全部農地だったのを住宅地にしたんだろう)、長くて白い平屋を建てて、カフェと美容院とネイルサロンを開いているようだった。1軒の建物だけど、中はおそらく店舗ごとに完全に仕切られている。

 

母はバナナ揚げにバニラ味のジェラートが乗ったものとアイスティーのセット、私は珍しくスイーツに惹かれずコーヒーだけを頼んだ。バナナは春巻きの皮でくるんで揚げてあり、黒蜜と黄粉がかかっている。しっかりした量で、二人でちょうどよいくらいだった。そしてほんとうにとてもおいしかった。春巻き皮のせいか、ホットケーキの味を思い出した。アイスティーが意外にもローズヒップティーで、これも母は喜んでいた。

 

同じようにお菓子やお茶を頂くにしても、やっぱり外でお茶をするというのはゆっくりできる。いつもの行動範囲からは少し離れたエリアだったし、昔住んでいた場所だし、良い気分転換になったみたい。カフェの方と少し言葉を交わしたり。父が用事を済ましている1-2時間ほどの間だったことも良かった。自分の用事で出掛けている時だと、母は早く帰りたがってあまりお茶しようかということになりにくいから。カフェへ来る前に、父の用事の施設に併設されていた八百屋で良いトマトやパプリカや西瓜が買えて、母が満足できていたのも良かった。

 

父の足腰が心配だったので車で送っていったのだけど。疲れていたら私一人でと言ったけど、母も久しぶりの町へ行きたい気分の様だった。ここ1週間ほど疲れが出て動きにくそうだったけど元気が戻ってきたようだったし、私も今日は元気にあれこれ動けたし。

 

話題は心配事へ移っていったけど、色んな事がちょうどいい、少しの佳き時間だった。夏の終わりの、かすかに涼しい遊歩道をふたりぶらぶらと歩いたのも良かった。