本日のテレビ番組

wild life 最後の15分のみ。イギリスのリンゴ畑。色んな生き物が住んでる。昆虫や鳥、フクロウやウサギやリス。フクロウが飛ぶ時羽を広げてるだけじゃなくて、閉じるのがかっこよい。広げて閉じる。リンゴは無農薬で、ガの卵を産み付けられてて幼虫が実を食べて出てくる。幼虫は地面に落ちて落ち葉の中で冬を越そうとするけど、それをまだ小さいフクロウが食べにくる。赤くなったリンゴはそのまま市で売ったり、手作業でシードルにしたり。

 

草なんかを全部刈ってしまわずちょっとでも自然の環境を残しておくとそこで色んな生物が暮らしてる。そういう環境を自分の暮らしのそばに蓄えられるっていいな。近年やたら野生動物の生息地のことが気にかかっており、単純にいいなと思う。

 

元は大半を森林におおわれていたイギリスだけど、人間が増えて農地が増えて野生動物の生息地が減って行ったんだそう。どこでもだいたいそうだろう。冬のオリンピックも楽しんでみたけどあれ1回の為にすごく山を変えているし (昔は同じ開催地で二回くらいしていたようなんだけど。他地域でも経済力upしてできるようになっちゃったからもう同都市開催はないのかな)。こんな田舎でも道路道路ってほんとに驚く勢いでどんどん山を削ってるし、緑が生い茂っていた河川敷も意図の見えない工事ですっかり緑を取り払ってしまったり、せっかくの池も整備するからとごっそり葦を抜いてたり。(センス良く整備するならいいけどだいたいセンス悪いので辛い。)

 

イギリスは保全も盛んで、湿地帯作ったり色々してるけど、日本というか今住んでるところはせっかく手付かずで残ってたのになーーーんにも考えずぐしゃーーーと壊していく方が目に付く (どちらの地域にも私が知らない良いこと悪いこともあるだろう)。

 

 wildlifeの最初の45分はチャンネルが鶴瓶の家族に乾杯。月曜20時はいつも皆が見ている番組なので奪う気持ちになれず。乾杯では被災地を訪問していた。Qちゃんが子どもにその時のことを聞いたり現場に連れてってと言ったり。震災で何か変わった?と聞かれた子は (質問者は家族の絆が的なポジティブアンサーを期待したような感じがしたけど)、今でもトラックの音とか怖いんだという答え (その時の音に似てるから)。そっかーでもみんなこうして元気で笑ってて良かった!みんなが笑ってたらお父さんお母さんも元気でるもんね!がんばってね! とQさん。。。何度か訪問してて受け入れられてるという気安さなのか、きれいにまとめなきゃというサービス精神だろうか。自分がポジティブな人だからだろうか。Qさんに聞いてもらうのを嬉しいと思う人もいるだろうけど。無神経に見えた。けどこれはあくまで私個人の印象で子どもにはあるいは良かったかもしれない。あんまり知らない人相手に話せて良かったかもしれない。個人個人やその時々で違うだろう。話した方がいい場合もあれば、言葉にしない方がいい場合もあるだろう。私はあまり震災を「特集した」番組は見たくない。定期的に流される深刻極まりない口調で被害に遭った方を紹介するコーナーとか。すぐチャンネル変える。大切な人がいたことをそういう形で表すことでご遺族には少しは何かプラスになるのかもしれない、局に頼まれて協力してあげているのかもしれない。でも亡くなった本人はどうなんだろ?、こんなテレビで全国に顔映されるのは嫌じゃないのかなという疑問がある。直後も届いたメールとか色々メディアに載せられてたけど本人は嫌なんじゃないかなと (これは震災に限らず事故や事件でも)。これも私だったら本当に嫌なので、そういう疑問を持つんだけど、人それぞれだろう。ただこれは自分では選べないので余計とどうなんだろうという気になる。でも死んだ人自身に気持ちはないので生きてる人のプラスにもしなるならそれでいいのか。

 

この番組の今日の回に抱いたネガティブよりな感想を記そうと思って書き始めたんじゃなくて (普段は私も結構好きで時々見てる) 。wildlifeのリンゴ畑と、すごく久しぶりに見たプロフェッショナル。40年のキャリアを持つ同時通訳者、長井毬子さん。戦後母親がGHQの通訳をしている姿に憧れて、アメリカに留学、帰国後通訳のアルバイト、大学卒業後通訳会社に。色んな現場を経験し実力を買われて政治経済のトップレベルの世界へ(複数の首相にも付いてたり)。70才の方なんだけど、その年代で留学とか、お母様も英語が堪能だったり、昔からちゃんと学校へ通える良いお家だったんだろうかな…というのは長井さんと同年代に当たるうちの母の家は経済的に進学も厳しかったらしいので (田舎なので選択肢も少な過ぎただろう、この辺は今も通じるところはあるけど)、同年代やそれ以前の方でこういう経歴を聞くと、昔もいろいろだったんだなあという感想が先に立つ。母親と二人の姉 (双子かな) との4人の写真。

 

通訳の準備では、単語帳を作ったり、よく知っているような一般的な単語でもその場に合う訳をメモしたり、話者に寄り添った訳を考えたり、という所に共感 (共感といっても、別に同じお仕事や同じレベルのお仕事してる訳では全くないけど)。心身弱っている時に一度だけ単語帳作りを怠った仕事がうまく運ばずあなたもう来なくていいからと言われたとか、その経験はないけど分かるーと勝手に思う。プライベートでぼろぼろでもそんなの言い訳にできない。けど影響しちゃう時があるのも人間。

 

通訳、特に同時通訳って、淡々と話すものなんだろうと思っていたけど、この方は割と感情を込めて話されてて、話者も聞く方もそこに好感を持っているようだった。(ゴーンさんの通訳の方もかなり感情込めてされてた。)感情を込めるといっても終始落ち着いた雰囲気なのが良かった (これは年齢による落ち着きかもしれない)。声も、抑揚があるけど落ち着いていて美しく耳に届きやすく説得力がある。こういう声憧れる。

 

元米副大統領が「いつも後で彼女にこの人(日本側カウンターパート)信頼できるかできないか聞くんだ」って言ってたけど、なんて答えてたんだろう…イエスしか言えないんじゃ?もしくはあなた自身の直感を信じてとか?NOとは言えないよね…。

 

政治経済、五輪招致から遺跡の話までなんでもあり…。遺跡の形状説明とか母国語でもイメージしづらい…でも図とかなし。聞き取りにくいスピーカーが登場してがんがん喋ることもあるけど当然がっつりくらいついていく。日本語が分かりやすいという評価も。聞いていると本当にきれい。英語もきれい。少しだけ別の通訳の方の和訳が出てて、「えー」等のつなぎが多かったんだけど (これ私もやる。自分で気付いてて止めたいのに。やっぱり邪魔で聞きにくい。)、この方はそれも一切ない。 

 

で、たまたま (私にとってはたまたま。番組にとっては時期的に組んでたんだろう)、この番組にも震災に関連した話題が出てくる。 国連の人たちが現地に来て地元の人と会議や仮設住宅で暮らす人の話を聞く機会を持つ。本当に疲れた顔で現状や将来への不安を語る人たち、彼らの口からこぼれる言葉を丁寧に即座に伝える通訳。(震災関連でもこういうのは見てて嫌だな見たくないなと思わないのは、ご本人が話したくて話しているのが分かるからかな。) (仮設住宅で暮らす人は本当に辛そうでオリンピックとか後でいいでしょうと思う。) 

 

復興・再建しようとしている「ふるさと」の訳し方を悩まれてて  (町長のプレゼンだったのかな)、our hometownに感情込めるくらいしか私は思いつかなかったけど、「○○○(町名), our home」「beautiful ○○○, our home」にされてた。そーだよね辞書だけじゃないんだよ。言葉は組み立てるもの、紡ぐもの。訳でも一緒。

 

風情も素敵な方だった。なんとなくクオーターくらいに見えなくもない顔立ちにきちんとメイク、服装は黒を基調としつつ、ブローチやラメツイード、ブラウスのひらひら等で華やかさも忘れない。派手ではない上品な華やかさって理想。以前お仕事ご一緒した70代の社長思い出してた。

 

見れて良かった。自分なりにやってたことをこれでいいんだと思えたり。仕事の準備や外国語についてはこの本のことも思い出した。単語帳の作り方とか、映画書き取るとか、単語の使い方をぐぐって確認とか共感。私がずっと苦手な数字についての記述が参考になった。

あなたの英語勉強法がガラリと変わる 同時通訳者の頭の中

 

格闘技ですって仰ってた。本当に、脳内格闘技。二つの言語を扱うこと。他人の思考を聴き取って理解して、自分の中に蓄積されてる言葉の中から最適な物を瞬時にピックアップして、聴者に伝わる言葉を紡いでいくこと。