好きだったあのお店

はてなの目次(じゃないけど)で短期間で閉店してしまったパンケーキ屋の話を目にした。小さい写真にあるお店の看板の名前に覚えがあって日記を拝見したらそうだった。以前住んでいた、都心から少し離れた町にあったお店。海外のパンケーキ屋が入ってきたりしてパンケーキがもてはやされるようになる何年も前。個人でされているんだろうと思っていた(実際どうなのかは知らない)。住んでる町に 、ふらっと歩いて行ける所に、こういうお店があって嬉しかった。んだけど、ある時移転するので閉店するお知らせが。駅の近くにでも移るのかなと思ったらいきなり原宿で少し驚いた。この日記の件は都内の話かと思ったら九州。広域でチェーン展開してるとは知らなかった。(広域とはいってもおしゃれイメージのある福岡。とはいえIモール内という立地が外れだったのかな。おしゃれエリアでセンス良く個人店ぽく展開したのであれば人も入って続いたかもしれない。)(じゃあ他の店舗はどうなんだろとサイトを見たら辛くなった。店内の様子は安っぽく、メニューには「ビーフシチューごはん」「ハンバーグごはん」「~のドリア」「ロコモコプレート」・・・いまさらロコモコって要る???三角おにぎりにふりかけをまぶしたメニューには心が苦しくなった。)

 

大阪のとある商店街にあった蒸しパン屋のことを思い出した。大阪に住んでいたおいしいもの好きな友人が、おもしろいお店があるって教えてくれたのだった。昔からある商店街に、蒸しパンを信じて愛して一人でお店をオープンし、熱心に研究を続け、お店の新聞も発行していたのをHPで見れておもしろかった。近隣の人に愛されてる良いお店というのがばしばし伝わって来てた。ある日、私の住んでた町(Pケーキ屋のあった町)の商店街に、このお店ってあのお店?という風情の蒸しパン屋が登場してた。大阪の友人に知らせるとどうもフランチャイズを始めちゃったそう。始め"ちゃった"そうなのだった。名前も一部変えてしまってた、ムッシュと付いてたのをミスターに。元の名前は「む」と「し」が重なるのもあってリズムも良く、フランスと蒸しパン関係ないけど (ムッシューはフランス語) 、フランス (語) のぼや~もわ~としたイメージと昔からなんとなく存在する食べ物である蒸しパンの相性も良くて、良い名前だった。「ミスター」の方がより多くの人に分かりやすいでしょう!という、コンサルの浅くて安っぽいアドバイスなんだろう(知らんけども。そうでしょ。と思うわ)。数駅離れた町に住む友人が、うちの近所にもできた!と嬉しそうだったのを覚えてる。50店舗くらいあった時期もあるらしい。HPによると現在は全国に7店舗。大阪には1店もない。私が住んでた町のお店も友人の住む町のお店も閉店。

 

じゃああのドーナツ屋さんは?と気になった。イメージを大切に、駅から少し遠くても住宅街の緑に囲まれた本当に良い雰囲気の立地に出していたけど…とサイトを見ると、私の知ってるそういう3店舗は閉店。大きめの町や駅ビル内が圧倒的に多い。

 

なんてことない町にあった最初のお店が閉店しちゃって客としては残念に思う人はたくさんいるに違いないけど、元の店主がチェーン展開に乗ることについてはいいも悪いもないかなとは思う。店主の人生だし。広げれるだけ広げてコスト下げるのは商売のひとつのやり方だし、最初は色んな人がフランチャイズのオーナーになるけど(その店や商品を大切にする人も別にそうじゃない人も)残ったお店は店を大切にしてるオーナーだから淘汰されて残った店を大事にすればいいって思ってるかもしれない。元の店主が長くは関わらないことも少なくないのかな (お店は売って別のことをとか別の店をとか)。でもなんだか悪いイメージがあるのは、こういう話を持ちかける人の、色々と言葉を並べて人の商売利用して自分の商売に持ち込むやり方を耳にしたり、やっぱり味やイメージが落ちちゃう例もあるからかな (そんな悪い例ばっかりではないでしょうが。でもやっぱり元の店主自ら多店舗展開する場合とは大事にするポイントが違うだろな)。

 

広く展開するにしても、第一店舗(こういうお店の呼び方何だっけ…)を大切にしたっていいのにとは思う。Pケーキ屋にしてもMパン屋にしても、お客さん入ってた訳だし。でも経営から見ると一律のチェーン店から外れた仕様の店舗が一つでもあるとコストが余計にかかるてことなんだろうかな。成功してるチェーンだと最初のお店はここ!とか聞くけど (まあ成功してるから全てにおいて良い!てことではないか)。